《漢字中国語》について

《漢字中国語》は日本人学習者向けの中国語テキストで,このテキストは「漢字による学習法」と「漢字読音短縮法」に基づいて作られています。

一、漢字による学習法について
中国常用漢字は約2500字があり、日本の常用漢字も2136字があり、両方とも日常に使われる漢字の95%以上をカバーしています。中国語と日本語の常用漢字を比較すると、全く同じ漢字が約1683字で、部首簡体化された類似漢字が約400字あり、完全に簡体化された及び日本に使われていない漢字は約460字あります。
《漢字中国語》は日中共通の1863漢字を「共通漢字」、日本語と違う860漢字を中国「特有漢字」と名つけ、「共通漢字」を黒い色で表示し、発音と使い方が分かればよいことにします。「特有漢字」を赤い色で表示し、発音と使い方のほかに、日本語との対照及び意味の説明も添付しています。「常用漢字」の集中学習と「特有漢字」を重点学習するため、学習効率が高めることができました。
二、《漢字中国語》について
《漢字中国語》は、まず、マトリックス構造を作り、このマトリックス構造の中でさらに3つのフレーム「拼音フレーム」、「四声フレーム」、「読音フレーム」をさらに作ることにしました。それから、中国語の2500常用漢字をそれぞれこの三つのフレームに並べることにしました。
まず、このテキスト全体は「拼音フレーム」によって構成されています。つまり、第1単元は母音漢字で、第2単元から第24単元まで拼音の子音順番に構成されています。拼音の子音と母音の組み合わせによって中国語発音のすべての発音を網羅することになります。中国語の2500常用漢字は《漢字中国語》の三冊にまとめているので、中国語すべての発音を三回も学ぶと練習することになります。
次に、各単元は「四声フレーム」によって構成されます。中国語の漢字には子音と母音が同じでも四声が違うと表す漢字も違うという特徴があります。「四声フレーム」はこれを利用して子音と母音が同じで四声が違う漢字を四声順番に縦で並ぶことによって自然に四声の教学を行うことになります。
また、四声フレームの中にさらに漢字と発音を「読音フレーム」に入れることにしました。中国語の漢字発音と拼音発音の大きな違いは「音節」にあり、漢字発音はすべて「単音節発音」で、拼音発音には「音節」という概念がありません。例えば、拼音発音の「 a、an、ang、zang、zhang、zhuang 」には音節が無いで音節の長さも分からないが、漢字発音の「阿、安、昴、脏、张、装」にはすべて単音節発音で音節の長さも同じです。そのために拼音と漢字を一つの「読音フレーム」に入れることによって拼音にも音節表示を与えることができるようになり、また、読音を短縮することを準備することにもなります。
三、漢字読音短縮法について
中国語の発音方法は「漢字発音」であり、日本語の発音方法は「カナ発音」であります。中国語漢字発音の特徴はすべて単音節発音の「短音発音」に構成され、日本語カナ発音の特徴はそれぞれ単音節と二音節で構成された「長短音混合発音」に構成されています。
また、中国語の漢字発音には「一字一音、一音一字」なので、発音の数と漢字の数は全く同じです。そのために、漢字発音の単位時間の文字数を測ることによって、漢字発音の一文字発音の音拍を測ることができます。
例えば、1分間に60文字を話す場合には1文字当たりは1音拍にすると、1分間に120文字を話す場合には1文字当たりの音拍は1/2音拍になり、1分間に240文字を話す場合には一文字当たりの音拍は1/4音拍になります。
中国人は普通の話し方では1分間に200~240文字です。日本人も最初から漢字発音の方法を身に着けて、漢字読音の音拍を1/4音拍に達成した場合には、中国人と同じように話すことができるし、ヒヤリング能力も飛躍的に高めることができます。
四、中国語中級試験合格
中国の小学生は2500の「常用漢字」を全部覚えるには六年間かかる必要があるが、日本人は《漢字中国語》の一冊を勉強するには60~90時間ぐらいかかることになります。
例えば、第一冊で900文字の常用漢字を学び、その中に360文字の「特有漢字」が含まれ、第二冊で800文字の常用漢字を学び、その中に240「特有漢字」が含まれ、第三冊で800ぐらい常用漢字を学び、その中に240の「特有漢字」が含まれます。
中国と日本の間には「1640共通漢字」があり、第一冊で覚えた「360特有漢字」を合わせると2000漢字になります。日本人学生は第一冊を勉強したら2000常用漢字のレベルになり、第二冊を勉強したら2240常用漢字のレベルになります。

一方、中国語中級試験を見てみると、HSK3級には800常用漢字、HSK4級には1200常用漢字を基準にする試験で、《漢字中国語》の第一冊と第二冊を勉強した日本人学生にとっては合格する確率は高いと思われています。

2018年4月 長城学院学院長 張佶 

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